軽井沢の別荘 

Nagano, Japan

軽井沢の緑豊かな「自然」の声。温暖化が顕著となった昨今においても四季折々の姿を我々に感じさせてくれる。都市部で生活する人間にとって、地に足をつけるというごく原始的で当たり前であった行為はいつの間にか非現実的なことになった。圧倒的な自然を有する北軽井沢において、受けられる恩恵は言うまでもなくそこに存在する自然という価値である。

今回の計画においては、新古の木材技術のハイブリットを目指し、デジタル技術と大工のアナログな伝統技術の着地点を ORDINARY = EXTRAORDINARYという視点をもって模索した。 木材は地産を使用することを前提とすることで、その製造プロセス自体に個性が発生する。どこか身近に感じられる、でも、全く新しい経験。建築物の高さは平家建てとし、周囲環境の中に身を埋める形とし、木漏れが主な自然光となる。豊かな自然環境と人間の関わり合いを改めて見つめ直し、春夏秋冬を「美しい背景」とするのではなく、現代人が失いつつある感覚を、この地を通して、再び人の体に宿らせる機会となる場所を計画した。 

この計画は、シンプルな構想として考えられており、16 本の柱のグリッドで支えられた 2 枚の水平な木製スラブで構成されている。建物を敷地の中央、岩と岩の間のレベルより低い位置に配置することで、周囲からは部分的にしか見えず、風景と一体化するようになっている。敷地の自然なランドスケープ形状は、木製の柱の基礎を除いて既存のままとなっている。その形状とデザインのシンプルさを強調するために、使用する素材は必要最小限に抑えている。スラブや柱は天候にさらされ、周囲と調和するように自然に風化する。屋根はマットな質感の事前に風化させたアルミニウムで覆われており、木製スラブを保護する。中庭の部分にはサンデッキがあり、屋外サウナの使用を通して、自然に身を埋められる計画となっている。家のプランは大黒柱の 4本を中心に 16 本の柱のグリッドによって構成されており、スペースはオープンプランとして扱われる場所、プライバシーを持ち心地よい広さの寝室、そしてキッチン、暖炉、収納などの独立した要素が、この空間のプログラムを完成させている。 

 

 

 

Location: 長野県軽井沢町
Building Type:  Weekend-house | Sauna house
Project team: Neringa Aliksandraviciute | ABG Atelier  
Current status: Competition proposal 
Area: 144.00m2 + sauna house 8.12m2
Budget: Undisclosed
Time scale: 2024 

ガラスで遮られた自然との距離をサウナという行為を通して、ボーダーを越える。まさに、山登りや森林に足を踏み入れることと同じような感覚で、心身と向き合う時間。自然に浸る感覚とはどのようなことなのか、四季を通して変わり続ける経験は、想像では及ばない豊かな経験となる。 

 

Drawings 


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